Esin クリエイティブ・ラウンジ 開催レポート
第4回 古屋言子さん(2015年10月23日)

デザイナーのマネージメントやコーディネートを専門とし、現在は世界的なデザイン・広告賞を運営する「D&AD」の日本レップも務める古屋言子さん。世界のクリエイティブ業界の現況をもっともよく知る日本人の一人として、国際的な業務を橋渡ししていいます。

トークは、デザインのことなど何ひとつ知らずに就職し、いきなり田中一光さんの代理人に任命されイタリアへ渡ったエピソードからスタート。限られた英語力で、異文化の論客たちと渡り合うには? 強い第一印象を残すためのコツは? 初対面のネヴィル・ブロディ氏にクラブで話しかけ、今では彼の日本レップを担当するまでの信頼関係を育てた古屋さんがその秘訣を教えてくれます。

来場したD&ADの審査員経験者である福田敏也さん(777 Interactive)と平林奈緒美さんも飛び入りし、審査の難しさや面白さについてさまざまな意見が飛び交います。

デザインが単に意匠のことを意味する日本と異なり、海外では物事の仕組みを設計する専門家をデザイナーと呼びます。世界で戦えるクリエイターになるためのヒントが、たっぷりと詰まった約2時間のトークでした。

2016年のイベントに関する最新の情報は、ニュースレターにてお届けします。


Esin クリエイティブ・ラウンジ 開催レポート
第3回 中村至男さん(2015年10月2日)

ニュートラルな作風ながら、一目でそれとわかる理知的な着眼点。中村至男さんのグラフィックデザインは、いったいどんな発想とアプローチから生まれるのでしょうか。

ソニー・ミュージックエンタテインメント社員時代、デザイン部から企画部に異動した中村さんは、アートユニット明和電機やゲームソフト「I.Q」のグラフィックなどで本領を発揮し始めます。独立後も、アートの視点から企業広告を制作する実験的なプロジェクト「勝手に広告」など、既存の枠に収まらないクリエイティビティを追求してきました。

中村さんの原点は、トイレの貼り紙の場所を移動するだけで人の行動が劇的に変わったという経験。理屈だけでなく、身体的な要素も意識するようになりました。視点をずらすことでメッセージの質を変え、まったく新しい風景へと進化させるのが、中村ワールドの真骨頂。「生理的に心地よい」グラフィックを重視した、シンプルゆえに誰も真似できない作風は、世界中で愛されています。

トークではアイドルに傾倒したという高校時代の秘蔵写真も公開。「時代の変わり目だから、新しいことを始めるチャンス」と語る自然体が印象的でした。

10月23日(金)の第4回クリエイティブ・ラウンジには、D&AD日本事務局の古屋言子さんが登場。お申込みはこちらから。


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第2回 平林奈緒美さん(2015年9月4日)

平林奈緒美さんのデザインが持つ強度は、一体どこから生まれるのでしょう。持参していただいた宝物のような資料をヒントに、謎解きがスタート。ミリタリーの機能美やドイツの日用品への偏愛。1秒の無駄もない生活習慣と、空手道場での体験。

トークの前半は、就職活動時のプレゼンテーションから、資生堂での下積み時代、そしてD&ADイエローペンシル受賞を経て、独立後のお仕事の話題へ。

エディトリアルは未経験ながら女性誌「GINZA」をトップセラーへ導き、ドコモのパッケージデザインやウェエブストア「GENERAL VIEW」のディレクションなどの多様な仕事からも一貫したクオリティを世に送り出してきました。

インスピレーションの源は、古いデザイン資料や日用品の収集癖。シュタージの刑務所病棟やテンペルホーフ空港の地下ツアーに参加するマニアックな一面もあります。

一流店を訪ねたら、お皿よりも人とサービスを見て欲しいと語る平林さん。

「上澄みだけすくうのではなく、世界を掘ることがデザインの本質」。

10月2日(金)の第3回クリエイティブ・ラウンジには、グラフィックデザイナーの中村至男さんが登場。お申込みはこちらから。


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第1回 菱川勢一さん(2015年7月24日)

より身近な形で世界レベルのクリエイティビティを共有するため、10月までの間、月1回の頻度で開催される「Esin クリエイティブ・ラウンジ」。第1回は7月24日に菱川勢一さんを招いておこなわれ、大盛況のまま終わりました。

監督、撮影、編集のすべてを自分の手でおこなう映像制作。スナップ写真から架空の映画を構想し、脚本まで書き上げてしまう発想力。菱川さんのクリエイティビティは、そのユニークな生き方の賜物です。

京浜工業地帯で生まれ育ち、ものづくりが身近にあった少年時代。美大に進学せず、CBSソニーの総務部に就職した菱川さんが、トップクリエイターへの道を切り開くストーリーは驚きの連続でした。

所持金わずか900ドルで単身ニューヨークに渡ったのも、危険な地域でビデオを回し続けたのも、「何も知らなかったから」。ニューヨークで偶然出会った大物たちの意外な素顔や、広告界のスターを押しのけて3冠に輝いたカンヌライオンズでの逸話も、自然体の菱川さんらしい楽しいものばかり。大人の事情をあえて無視した直球のアプローチで、仕事を失ったこともあります。しかし後日事情を知ったクライアントからは意外な電話が。

余所では聞けない爆笑エピソードも交え、クリエイティブの真髄に触れられた感動の2時間でした。

9月4日(金)の第2回クリエイティブ・ラウンジは、アートディレクターとして活躍する平林奈緒美さんがゲスト。こちらからお申込みください。